米陸軍、AI対応のアンチジャミング技術を合同演習に導入――NATOとの訓練にも使用

アメリカ国防総省の国防メディア本部は2023年11月20日、人工知能(AI)対応の高度な動的スペクトラム偵察(Advanced Dynamic Spectrum Reconnaissance:ADSR)システムを、ドイツでの合同演習で実際に運用したと発表した。

ADSRは、米陸軍戦闘能力開発司令部(CCDC)と陸軍研究所のPathfinderプロジェクトの成功例の1つだ。AI対応システムであり、陸軍の無線通信ネットワークが敵のジャミング(電波妨害)を感知して回避し、また、敵が陸軍部隊を標的にする可能性のあるRFエミッションを低減できる技術となっている。

ADSR技術は、国防高等研究計画局(DARPA)が後援した2つのチャレンジコンペティションに関連しており、当初はヴァンダービルト大学の研究チームによって開発された。2021年以降、フォートキャンベルの第101空挺師団の兵士による一連の運用実験を通じて継続的に改良されてきたという。

最近、ドイツにある第7陸軍訓練司令部の統合多国籍即応センター(JMRC)で実施された合同解決演習の際に、この新しいADSR技術を第3歩兵師団の電子戦兵士が実際に運用。兵士たちはこのシステムをさらにテストし、NATOおよびNATOパートナー部隊に訓練を提供した。

旅団戦闘チーム内の電子戦部隊は、敵を標的にする際の優位性を求めているという。ADSR技術はスペクトルをリアルタイムで理解するセンシング能力を持ち、敵の電磁的痕跡の特定が促進される。それにより、部隊が戦場で迅速に効果を発揮できるとしている。

関連情報

DVIDS – News – New AI-enabled technology developed by Vanderbilt, 101st Airborne deployed for training of NATO and NATO-partner units in Europe

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