- 2024-4-10
- 化学・素材系, 技術ニュース, 海外ニュース
- Geoffroy Hautier, Joule, ダートマス大学, 光吸収材料, 固有欠陥情報, 大規模スクリーニング手法, 太陽電池, 第一原理計算, 追跡実験, 電荷寿命, 高処理スクリーニング手法
米ダートマス大学が率いる研究チームは、追跡実験を伴う大規模スクリーニング手法を使用し、高性能な太陽電池向けの新たな光吸収材料を発見した。同研究成果は2024年3月11日、『Joule』誌に掲載された。
研究チームは、電荷寿命や固有欠陥情報などをパラメーターに含めた、第一原理計算に基づく高処理スクリーニング手法を使用し、約4万の無機材料から有力な光吸収材料を高速に選別した。Zintl化合物「BaCd2P2」が太陽光を電気に効率良く変換でき、さらに空気中と水中で高い安定性を持つことを明らかにした。追跡実験では6カ月放置しても状態に変化は見られず、湿気や空気汚染の心配がないため、大幅なコスト削減が期待できるとしている。
研究論文の責任著者であるダートマス大学のGeoffroy Hautier准教授は、「太陽光電池分野において、こうしたスクリーニングと追跡実験を組み合わせたアプローチで新たな材料が発見されるのは初めての例だ」と説明した。
今後、研究チームはスクリーニング手法の改良を続け、Zintl化合物群を調査する計画だ。