- 2024-6-17
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- Angela Schoellig, ChatGPT, Martin Schuck, SwarmGPT, ドローン, ミュンヘン工科大学(TUM), ロボット工学, 大規模言語モデル(LLM), 音声コマンド
独ミュンヘン工科大学(TUM)は2024年4月29日、Angela Schoellig教授の研究チームが、ChatGPTを使ってドローン群を音楽に合わせて飛行させることに成功したと発表した。これは、大規模言語モデル(LLM)をロボット工学に適用した事例となる。
研究チームの学生Martin Schuck氏が選曲し、提案された振り付けパターンを入力すると、アルゴリズムがドローンの飛行経路をチェックする。スクリーンには、6機のドローンが音楽に合わせて円を描く飛行シミュレーション映像が投影され、事前に経路を確認できる。
研究チームは、約40m2、高さ3mの部屋に天井から6台のカメラを設置し、床に十字のマークでスタート位置を示した。このカメラは、4つのプロペラを持つクアッドコプターの位置を1秒間に200回スキャンして、システム側から位置をチェックする。
現在、最大9機のドローンで構成する「航空ショー」は、100%安全といえる完成度だが、安全フィルターを入れる前の成功率は4回に1回だった。Schoellig教授は、ChatGPTと安全フィルターを合わせたシステムのコンセプトを、「SwarmGPT」と呼んでいる。
この安全フィルターは、ドローンの特性や飛行経路の物理的限界とChatGPTが提案した振り付けの飛行経路とのギャップを、安全性のアルゴリズムを使用して埋める機能を持ち、空中衝突を回避した経路を作成する。
Schoellig教授は、SwarmGPTの応用分野を拡張できると考えている。ChatGPTをインターフェースにして、専門知識やプログラミング技術を必要とせずに、音声コマンドだけで産業用ロボットなどの動作をプログラムできるようになる可能性がある。
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ChatGPT in robotics: algorithm makes flying robots safe – TUM