AIを利用した求人詐欺が増加――米McAfeeが注意喚起

イメージ画像

生成AIの台頭により、ますます巧妙化するインターネット詐欺。それは求職市場においても例外ではないようで、セキュリティソフトなどを提供する米McAfeeが警鐘を鳴らしている。

米国の連邦取引委員会が2024年初めに発表したレポートによると、2023年の求人詐欺による損失額は前年に比べ25%以上増加し、4億9100万ドル(約735億円)に達する。被害者1人当たりの平均損失額は2000ドル(約30万円)をわずかに上回る。また、個人情報盗難リソースセンターも求人詐欺の増加を報告しており、2023年に報告された詐欺被害は、前年比118%となった。McAfeeによると、膨大な数の偽の求人広告やソーシャルメディアのプロフィールがAIによって作成され、リクルーターを装っているという。

もちろん、これに対し、求人広告やソーシャルメディアのプラットフォーム側が対策を講じていないわけではない。2023年、ビジネスSNSのLinkedInは1年間で8680万の偽アカウントが削除されたと報告した。90%以上は登録時に、残りは手動調査で発見され、全体として偽アカウントの99.6%はユーザーからの報告前に削除されたという。Facebookも自動化内部安全対策など独自の対策を講じ、2023年を通じて、ユーザーからの報告前に偽アカウントの約99%に上る26億以上のアカウントを削除した。

それでも詐欺師たちは、綿密に構築された防御策の抜け道を見つける。McAfeeによれば、詐欺の目的はその他のネット詐欺と変わらず、金や個人情報をだまし取ることや、マネーロンダリングの手助けをさせることだという。求人詐欺の場合、これらは社内研修や費用の申し込みを装って行われる。McAfeeはまず雇用主や人材紹介企業をインターネットで調べることを推奨しているが、求人詐欺の多くは実際の企業を名乗って行われており、その場合は次のような危険信号に注意すべきだとしている。

まず、求人広告の内容が、条件は良いが詳細情報がないもの、または、やり取りがメールやチャットのみでプロセスが早いペースで進むもの。もっとわかりやすいのが、正式な雇用契約の前に社会保障番号または納税者番号、銀行の口座情報を尋ねられる、研修や機器の費用の支払いを求められる、などだ。このような危険信号に該当する場合、その会社のWebサイトにアクセスして、求人が掲載されているか、サイト上の連絡先情報が一致しているかなどを確認すべきだとしている。

関連情報

HORSE starts plug-in hybrid engine production at Valladolid facility – HORSE

関連記事

アーカイブ

fabcross
meitec
next
メルマガ登録
ページ上部へ戻る