- 2024-4-16
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- Power to Gas, Terraform Industries, 合成天然ガス, 多段式サバティエ化学反応器, 太陽光, 太陽光発電, 太陽電池アレイ, 水素, 直接空気回収(DAC: direct air capture)システム, 空気, 電気分解, 電解槽
エネルギー技術を開発する米Terraform Industriesは、2024年4月1日、太陽光と空気を使用して、合成天然ガスの生成に成功したと発表した。
同社は、2024年3月27日、統合型の「power-to-gas」の実証機を試運転した。水素の電気分解、空気の直接回収、メタン化のために自社開発した独自のサブシステムを使用して、電気と空気の天然ガスへの変換に成功した。
同社の電解槽は、コストの低い太陽光発電で水素を製造する。その製造コストは水素1kgあたり2.50ドル(約380円)未満だ。また、独自の直接空気回収(DAC: direct air capture)システムは、1トンあたり250ドル(約3万8千円)未満で大気中の二酸化炭素(CO2)を回収する。多段式サバティエ化学反応器が水素とCO2を反応させて、97%以上がメタン(CH4)であるパイプライングレードの天然ガスを生産する。
同社が2023年6月26日に発表したブログによると、Terraformerは、1時間あたり28.3立方メートルの天然ガスを生成する。実用規模の太陽電池アレイでは一般的な25%の利用率に最適化されており、この構成で1日あたり169.9立方メートルの天然ガスを生成する。
1台のTerraformerは、年間2190時間に相当する稼働時間で、5万6633.7立方メートルを超える天然ガスを生成し、年間最大15万ドル(約2300万円)の収益を生み出すことが見込まれる。また、1000台のTerraformerと統合されたギガワット規模の太陽電池アレイは、2万世帯に供給可能な天然ガスを生産できる。
同社は、2024年第2四半期に生産を開始すると発表している。
関連情報
Terraform makes carbon neutral natural gas – Terraform Industries Blog
The Terraformer Mark One – Terraform Industries Blog