- 2024-12-9
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- 4K映像, KDDI総合研究所, デクセリアルズ フォトニクス ソリューションズ, マルチチャネル映像, 三重大学, 光無線, 光無線トランシーバー, 日立国際電気, 東洋電機, 研究, 鈴鹿サーキット
三重大学は2024年12月6日、日立国際電気やKDDI総合研究所など民間企業4社と共同で、三重県鈴鹿市の鈴鹿サーキットで撮影した4チャネルの非圧縮4K映像を、オールオプティカル型光無線伝送システムと光ファイバー伝送システムを経由して、55km離れたケーブルテレビ局までライブ伝送する実証実験に成功したと発表した。既設の光ファイバーを含む光無線技術を使った4K非圧縮マルチチャネル映像の伝送は世界初だとしている。
研究に参加したのは、ほかにデクセリアルズ フォトニクス ソリューションズと東洋電機だ。これまで5者は、臨時に大容量回線を必要とし、光ファイバーの敷設が難しいイベントなどでの利用を想定して、光無線技術を含む電波/光融合無線技術の研究開発を進めてきた。今回は、東洋電機が開発したオールオプティカル方式光無線トランシーバーを使って実証実験を行った。
実験は同年10月27日に鈴鹿サーキットで行われ、55km離れたケーブルテレビ局、シー・ティー・ワイの社屋に撮影した映像をリアルタイムで伝送した。
光無線トランシーバーを、サーキット内の逆バンクコーナー付近とそこから見通すことができる350m離れたグランドスタンドの屋上に設置し、コーナー付近で撮影した4チャネルの非圧縮4K映像(12G-SDI)信号を、商用サービスに用いられるIP伝送規格で単一のフレームに変換した後、スタンド屋上まで光無線で伝送した。さらに光ファイバー伝送システムを介して、シー・ティー・ワイ社屋に伝送し、多視点の高品質映像を再生した。
使用した光無線トランシーバーは、電気信号に変換することなく光信号のまま光ファイバー伝送システムと光無線伝送システムに情報を送ることができ、従来型の光無線トランシーバーに比べ、大容量通信が可能になる。これにより、光ファイバーが敷設されていない場所から遠方地への100Gbpsの通信を実現させた。
今回の実験では、放送/通信事業者による商用化を想定したネットワーク構成で映像を伝送した。同大学などは今回の成果を活用すれば、サーキットなど光ファイバーの敷設が困難な場所から、迫力のあるモータースポーツなどの多視点/高精細映像を視聴者へ届けられるとしている。
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三重大学 | 【プレスリリース・研究成果】世界初、鈴鹿サーキットで4K非圧縮マルチチャネル映像の光無線伝送に成功 ~光ファイバの敷設が困難な場所で100Gbpsの大容量通信を実現~