- 2024-12-27
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- Journal of the American Chemical Society, スマートコーティング, ペロブスカイト, メチルアンモニウム(MA), 南洋理工大学, 太陽電池, 学術, 感熱性インク, 有機/無機半導体材料, 溶液処理技術, 炭酸ジメチル(DMC), 発光ダイオード, 色の可逆変化
シンガポールの南洋理工大学は2024年11月22日、同大学の研究チームが温度で色が可逆的に変化するペロブスカイトを開発したと発表した。
ペロブスカイトは、溶液処理技術により作製できる、層状の有機/無機半導体材料であり、太陽電池や発光ダイオードなどのデバイスとして使用される。同研究では、メチルアンモニウムベースのペロブスカイト層間に、無害な溶媒である炭酸ジメチルを取り込んだペロブスカイトが合成された。
研究チームは、ペロブスカイト中のメチルアンモニウム(MA)と炭酸ジメチル(DMC)の異なる比率の材料を4つ合成し、比率により電子状態を調整できることを発見した。また、DMC分子が層間のスペーサーとして独特なペロブスカイト構造を示すことが分かった。
さらに、ペロブスカイトの1つは、80℃に加熱するとオレンジ色から赤色に変化し、室温に冷却すると元の色に戻る、色の可逆変化を示した。色の可逆変化は25サイクル繰り返し確認された。
温度によって色を可逆的に変化するペロブスカイトは、スマートコーティングや感熱性インクなどの異なる用途への応用が期待できる。同研究成果は2024年2月29日、『Journal of the American Chemical Society』誌に掲載された。
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Designing colour-changing semiconductor materials | Research | NTU Singapore