グラフェン技術を利用した小型で低価格な高感度センサー――食品検査からナイトビジョンまで応用

©ICFO

スペインのフォトニック科学研究所(ICFO)は、グラフェン技術を利用したウェアラブルセンサーをはじめとする4つの試作品を、グラフェンフラッグシップが主催する「モバイルワールドコングレス(MWC)2019」で発表した。ヘルスモニタリングから食品検査、ナイトビジョンまで、小型で低価格な高感度センサーを提供することを目指している。

ICFOは、グラフェンを学術分野から産業分野に拡大することを目的とした10年間の10億ユーロ規模のプログラム「EUグラフェンフラッグシップ」の一員であり、MWC2019では「UVセンサー」「フィットネスバンド」「シングルピクセル分光器」「ハイパースペクトルイメージセンサー」を出品した。

UVセンサーは、フレキシブルで透明、使い捨て可能なワイヤレスモニター。肌に貼れるパッチタイプで、太陽から受ける紫外線が予め定めた基準量に達するとモバイル機器にメッセージを送信できる。

フィットネスバンドはUVセンサーと同じ技術を利用し、さらに機能を拡大している。内蔵したグラフェンセンサーで、運動時の心拍、水分量、血中酸素濃度、呼吸数、体温を測定。普段のエクササイズのモニタリングだけでなく、過酷な自然環境での活動において、脱水症状や酸欠、高山病などの防止を想定している。

シングルピクセル分光器、ハイパースペクトルイメージセンサーはどちらも広帯域、小型が特徴で、低価格のセンサーとしての可能性を秘めている。これまで専門の研究所しか持てなかった装置が、我々の家庭でも利用できるようになる。

例えば、スマートフォンを果物にかざすだけで、どれが一番新鮮か知ることもできる。もしくは、非常に濃い霧の中や夜間でもはっきりと車両のフロントガラスの視界を確保し運転できるという。そのほか、模造医薬品の検出から、食品や製品中の有害物質の同定まで、我々の日常生活に不可欠なツールになりうる技術だ。

「グラフェンベースのイメージセンサーは人間が見えている以上のものを検出することができる。非常に小型ながら何十万ものフォトディテクターを搭載しており、紫外線から赤外線まで、感度よくセンシングできる」とICFOのグループリーダーであり、グラフェンフラッグシップMWC委員会の議長でもあるFrank Koppens教授は語る。



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Graphene-based technology for wearable health monitoring, food inspection and night vision

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