- 2025-1-22
- 制御・IT系, 技術ニュース, 海外ニュース
- AI, Bluetooth信号, GPS, LPS(Last Point of Signal:最後の信号地点), Solvit System, SOVLIT-iSAR, ゴールデンタイム, シャドウエリア, モンテカルロ法, 位置推定, 捜索システム, 捜索範囲, 救援デットゾーン, 時系列推定, 移動モデル, 遭難者救助, 隣接セルカバレッジ
韓国のSolvit Systemは2024年12月9日、遭難者救助の捜索範囲を最大で25分の1に縮小する、AIを利用した捜索システム「SOVLIT-iSAR」を発表した。同技術は、携帯電話の電波が届かない砂漠、国立公園などの「救援デッドゾーン」と呼ばれる場所での救助活動を支援する。
SOVLIT-iSARは救助対象者の携帯電話電波を利用し、GPSやBluetooth信号を必要としない。電波の届かない「シャドウエリア」での優先探索エリアを大幅に削減し、救援の成功率が高いゴールデンタイムを確保し、救助活動の人員とコストを節約できる。
システムのキーは、捜索範囲を絞り込む手順だ。最初に、遭難者の携帯電話が最後に接続されたセクターの無線品質を基にカバレッジ分析を行う。これにより、電波の届かないシャドウエリアと、LPS(Last Point of Signal:最後の信号地点)を含む領域を識別する。
次に、「隣接セルカバレッジによるシャドウエリア除去」という技術で、救助対象者が存在しそうなシャドウエリアを絞り込む。
最後に、対象者個人の特性(年齢、性別、健康状態、経験)や環境要因(傾斜度、道幅、天候条件)を考慮し、平均移動速度を反映した経過時間に応じて、移動拡散モデルにより、シャドウエリアを優先探索エリア(最大25分の1)にさらに縮小する。
さらに、モンテカルロ法による位置推定と移動モデルで、その人が接続していたセルの信号を時系列推定し、最後の信号ポイント領域をさらに絞る。捜索範囲の分析は、無線の専門家による手動分析では約3時間かかるが、このフレームワークは10分以内に完了する。