グローバルで年間1兆回も利用されるというGoogleサーチや、毎分400分以上の動画がアップロードされ続けるYoutubeなど、Googleが提供するサービスを支えるネットワークリソースは膨大なものになるが、同社のデータセンタを運営するためにはどれほどの電力が必要なのだろうか?
持続可能なカーボンフリー(二酸化炭素を増やさない)社会の実現に向け、風力や太陽光などの再生可能エネルギーの利用を促進するGoogleは、同社のデータセンタおよびオフィスを含むグローバルオペレーションの消費電力のうち、再生可能エネルギーが占める割合が2017年に100%に達すると報じた。
同社では、3つのアプローチでカーボンフリー化に取り組んでいる。1つはエネルギー消費量の削減で、同社のデータセンタは同レベルの規模の施設よりも50%も省エネ化されているという。次に、自社施設を再生可能エネルギーで直接運用することだ。一例として、本社をおくカリフォルニア州マウンテンビューでは大規模な太陽光発電施設を運用している。
そしてもうひとつがグリーン電力証書(REC: Renewable Energy Certificate)の活用だ。データセンタと同じパワーグリッド(送電網)に直接接続されている再生可能エネルギー発電所の電力を、長期の電力購入契約(PPA: Power Purchase Agreement)を結んだ上で、RECと共に購入し、電力だけを売り戻す。データセンタを運用するため、再生可能エネルギー以外を含む電力を購入する際、RECを破棄することで、購入したRECに相当する電力量はカーボンフリー電力を利用したとみなすという仕組みだ。電力を2度購入するという手間があるが、地理的あるいは規制などの理由でグリーン電力が直接利用できない場合には有効な手段となる。
Googleは、2010年に同社のデータセンタがあるアイオワ州の風力発電会社との114メガワットの電力を20年間にわたる購入契約に始まり、現在では、風力/太陽光エネルギーについて、合計2.6ギガワット相当の契約を複数の電力事業者と結んでいる。これは他社と比較しても圧倒的な規模だ。Googleの再生可能エネルギー・プロジェクトの契約数は20におよび、グローバルでのインフラ投資額は35億ドルを超えるという。