オーエム金属工業、切削加工時間を大幅に短縮する「快削性鋳鉄」を実用化

オーエム金属工業は2017年4月10日、島根県の特許を利用して、切削加工時間を大幅に短縮する「快削性鋳鉄」を実用化し、量産化を開始したと発表した。

今回使用された島根県の特許(特許第3707675号 工具磨耗抑制片状黒鉛鋳鉄)は、片状黒鉛鋳鉄(普通鋳鉄:FC)の中に微量に存在する非金属介在物の成分を制御することで、従来の片状黒鉛鋳鉄の機械的性質(引張り強さ、硬さ)及び黒鉛形状、基地組織に影響を与えず、被削性のみを改善する技術だ。切削加工、特に高速切削において、成分調整された非金属介在物が工具表面に皮膜を形成して工具の磨耗を抑制。工具寿命の延長と加工時間/コストの低減を図ることができる。

同社では今回、この特許を使用した鋳鉄品の実用化、量産化に成功。同社の従来品(FC300通常品)と比較し、切削加工時間の約40%減および工具寿命の約2倍の向上を達成したという。製造できる鋳造品の材質は片状黒鉛鋳鉄 F200、F250、F300で、重量は200〜3000kg。

鋳鉄品は自動車、工作機器など様々な機械部品に用いられるが、最終製品になるまでのコストの中で切削加工工程に要するコストが大きく、その低減が課題となっている。今後同社では、加工コスト低減メリットが大きい、切削加工比率の高い鋳鉄品をターゲットに、快削性鋳鉄として販売していく。

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