ベルギーのアントワープ大学とルーベン・カトリック大学は2017年5月8日、汚染大気を浄化して水素燃料に変える小型デバイスの開発に成功したと発表した。
両大学の研究チームが開発した小型デバイスは、膜で仕切られた2つの部屋を持ち、片方で空気を浄化し、もう片方で分解産物の一部から水素ガスを産生する。水素ガスは蓄積して、後で水素燃料として利用できる。
開発したサミー・ヴァーブリューゲン教授によると、要となるのは特製のナノ素材を使用した膜にある。触媒が水素ガスを産生し、大気から汚れを取り除くことができる。
実際の仕組みはシンプルで、光に当てるだけでデバイスは機能するという。研究グループは、ソーラパネルで利用されているような形で、小型デバイスを広めたいと考えている。
同デバイスは現在、わずか2~3平方cmの規模で稼働しているが、将来的には産業用途でも利用できるようにスケールアップをしていく計画だ。反応を誘導するための日光をもっと効率的に利用できるようにするため、同グループは膜素材の改良を進めている。