自動運転(Autonomous drive )とは?
自動運転とは、周囲の状況を監視するカメラ、レーダー、センサなどの電子情報、地図データやGPSなどの車両位置情報をもとに、自動車がドライバーの代わりに判断して走行することだ。
自動運転にはレベルに応じた定義があり、米国運輸省道路交通安全局 (NHTSA) によるものでは、 ドライバーが常にすべての主制御系統(加速・操舵・制動)の操作を行うレベル0から、ドライバーが全く関与しない完全自動運転のレベル4まで定義されている。
現在、各自動車メーカーや大手IT企業がレベル3(全てをシステムが制御し、緊急時などシステムが要請した場合にドライバーが運転する)以上の自動運転の実現に向けて研究を重ねている。自動運転にはまだ、予測できない突発的な事象への対応やインフラ面の対策、事故が起きた際の責任問題など多くの課題があるものの、国土交通省は2020年初頭の自動運転実用化を目指すとし、政府も完全自動走行に向けた環境整備を明言する中、今後各社の開発が加速し、関連する求人も増加することが見込まれる。
自動運転を取り扱う企業は?
自動運転については、自動車メーカー各社が開発にしのぎを削っている。日産自動車は高速道路の同じ車線において、自動運転で走行できる技術「プロパイロット」を一部の車種に搭載し、スバルの運転支援機能「アイサイト」は、ステレオカメラだけで全車速追従機能や渋滞時のカーブ追従などが可能な、レベル2相当の機能を有している。
また、ZMPや先進モビリティといった自動運転ベンチャーの台頭、IT大手のDeNAが自動運転分野で日産と協業するなど、自動車メーカー以外の動きも注目される。
自動運転に携われる求人は?
自動運転車の実現には、多くの要素技術がある。大手システムサプライヤでは、ADAS(先進運転支援システム)向けソフトウェアシステムや、レーザーレーダー、ミリ波レーダー、カメラ、センサなど周辺情報取得機器の開発・設計ができる人材を求めている。ソフトウェアメーカーや実験設備メーカーの、シミュレーションシステム開発関連の求人も豊富だ。
また、従来から車両に搭載されている電動パワーステアリング(EPS)や横滑り防止装置(ESC)、パワートレイン関連のコントロールユニットなどを供給する部品メーカーからも、システム設計、ソフトウェア技術者関連の求人が出ている。市場規模の拡大と共に、システム関連に明るい営業職を求める企業も見られる。
加えて、完全自動運転を実現するためには車両と高度道路交通システムとの連携が不可欠であることから、ナビゲーションシステムサプライヤや道路情報システム関連メーカーが、ネットワーク関連技術者、ソフトウェア技術者を求める動きがある。