日立化成は2017年7月13日、同社が開発した自動車外装部品に適用できる樹脂射出発泡成形技術がSUBARUの新型SUV「SUBARU XV」に採用されることを発表した。SUBARU XVのフロント・リアフェンダー、サイドドアの下部に取り付けるサイドガーニッシュとして採用される。
近年の自動車業界では燃費向上の一環として車両の軽量化が求められており、軽さに優れる樹脂部品が金属の代替品として採用されてきた。さらなる軽量化の手段として樹脂部品の厚みを薄くする方法(薄肉化)があるが、体積が小さくなるため剛性が損なわれるデメリットがある。このため薄肉化した樹脂部品の内部をスポンジ状に発泡させ体積を大きくし、剛性を保つ樹脂射出発泡成形技術が開発されたが、この技術では自動車メーカーが外装部品に要求する光沢や色などの外観品質を保つことができなかった。
この流れを受けて日立化成は、既存の樹脂射出発泡成形技術に独自の材料設計技術や金型設計技術、成形技術を加えて外装部品に要求される剛性と外観品質のニーズを満たした樹脂射出発泡成形技術を開発した。これは自動車の外装部品に適用できる点で世界初の技術だとしており、すでに2016年8 月に日産自動車が発売した新型「SERENA」のサイドドアの下部に取り付けるサイドシルプロテクターとして採用されている。
このサイドシルプロテクターは、従来の樹脂外装部品と同等の剛性を保ちつつ外観品質も維持したうえで約30%軽量化した。今回のSUBARU XVに採用されたサイドガーニッシュは、SUBARU従来車比で約33%軽量化したとしている。