理研、73種の新しい放射性同位元素を発見

1910年以降、各国の研究所・大学から発見された新RI

理化学研究所(理研)は2017年12月22日、理研の重イオン加速器施設「RIビームファクトリー」を用いて73種の新しい放射性同位元素(RI)を発見したと発表した。

鉄よりも重い元素(重元素)は、中性子星合体のような特殊な環境下で、原子核が連続的に「中性子を吸収する反応」と中性子が陽子と電子に変わる「β崩壊」との競合が起こり、不安定なRIを経由して合成されたと考えられている。この重元素合成の解明には、RIのさまざまな性質を調べることが必要とされる。

理研はこれまで、RIビームファクトリーの「超伝導RIビーム分離生成装置」を用いて59種の新RIの発見を発表。さらに今回、加速器の性能向上でビーム強度が以前の約10倍に増強されたことから、再び新RIの発見に挑戦した。実験では、ウラン-238およびキセノン-124ビームを、超伝導リングサイクロトロンで光速の70%まで加速後、標的のベリリウムに衝突させてRIを生成。それらを収集・分析し、同定した。その結果、原子番号25のマンガンから68のエルビウムまで、73種の新RIを発見することに成功した。

新RI探索実験における超伝導RIビーム分離生成装置の配置

さらに約62種の新RIの生成も確認しており、現在最終確認に向けた解析を実施しているという。これも合わせると、総計約194種の新RIの発見が発表される見込みで、RIビームファクトリーでの2010年以降の発見数は米国・英国・ロシア・ドイツを抑え、大きく加速するとしている。

関連リンク

プレスリリース

関連記事

アーカイブ

fabcross
meitec
next
メルマガ登録
ページ上部へ戻る