心地よいキャンドルのような自然なゆらめき――世界初のゆらぎシンクロ型演出照明を大阪大学が開発

多彩に光るシンクロ照明。組み合わせで自由自在に光空間を演出できる

大阪大学は2018年3月20日、世界初のゆらぎシンクロ型演出照明を開発したと発表した。光のゆらぎとお互いの光が同期して自然に調和する技術を導入し、人工的な光でもキャンドルのような自然なゆらめきが得られるという。同大学産業科学研究所の神吉輝夫准教授に加え、兵庫県立大学、ゼロバイゼロ、博報堂との共同研究となる。

演出型照明には昔からキャンドルライトが使われていたが、近年では炎を使わないキャンドルとしてアート効果の高いLED照明が普及し始めている。大阪大学などが開発したゆらぎシンクロ型照明は、LED照明に周波数スペクトル密度が周波数fに反比例する「1/fゆらぎ」と、タイミングを合わせる「シンクロ型センシング」機能を搭載。1/fゆらぎが持つ“ゆらぎの心地よさ”にシンクロ型センシングによって自然性を加え、キャンドルのような心地よい自然なゆらめきを表現できるようにした。

生体システムは、個々の振動子が集団で協調しあい多様なリズムを生み出している。生体リズムの特徴は、”ゆらぎを持ったリズム”であり、外界からのリズムと歩調を合わせる”シンクロ機能”を有しているところにある。

生体型情報処理機構のエッセンスはこの“ゆらぎ”と“リズム”であると研究チームは考えてきた。従来から生体リズム現象は非線形数学・物理によって定式化しデジタルプロセッサ上にプログラム化することで再現可能であったが、シンクロ振動子の組み合わせ数によりコストや実時間情報処理に伴う計算量が指数関数的に大きくなるため実用化は難しかった。

ゆらぎシンクロ型演出照明はシンクロ振動子の組み合わせ数が膨大になってもシステム・機器開発ができる点で優位性を持っている。

関連リンク

プレスリリース

関連記事

アーカイブ

fabcross
meitec
next
メルマガ登録
ページ上部へ戻る