東芝、想定外のノイズ量にも対応できるディープラーニング型画像ノイズ除去技術を開発

東芝は2018年6月15日、あらかじめ学習していないノイズ量にも対応できる深層学習(ディープラーニング)型画像ノイズ除去技術を開発したと発表した。これにより、想定外のノイズ量の画像でもノイズを除去し、高画質な画像を得られるという。

写真や動画を撮影すると、本来の情景を覆うように画像全体に粒状のノイズが生じる。このようなノイズは、監視カメラでは被写体の視認性を低下させ、物体認識カメラでは認識精度を低下させる。

最近、そのノイズ除去に深層学習を用いることで高い復元精度が得られることが分かってきた。しかし、従来の深層学習方式では、あらかじめ学習したノイズ量の画像に対しては有効なものの、学習時と異なるノイズ量では十分なノイズ除去効果が得られていなかった。

そこで同社は、学習範囲外のノイズ量でも対応できる深層学習型ノイズ除去技術を開発。同技術では、データを変換する活性化関数にSoft-shrinkage関数を採用し、さらに、画像のノイズ量に応じてノイズ除去の対応範囲を変更できるようにすることで、学習範囲を超えたノイズ除去を可能にした。これにより、ノイズ除去の強さが調整可能となり、想定外のノイズ量でも復元誤差が従来技術に比べ3分の1以下に改善。十分な画質が得られるようになった。

同社は、この成果とノイズ量推定技術を組み合わせることで、高精度な映像システムの早期実現を目指すとしている。

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