- 2019-6-20
- 技術ニュース, 機械系, 海外ニュース
- 2ステージターボチャージャー, Euro 6d TEMP, OM654, R2S, ボルグワーナー, メルセデス・ベンツ, 可変タービンジオメトリー
ボルグワーナーは2019年6月18日、同社のR2S(Regulated 2-Stage)過給システムがメルセデス・ベンツの直列4気筒ディーゼルエンジン「OM654」に搭載されたことを明らかにした。
同社のR2Sシステムは、高圧段に可変タービンジオメトリー(VTG:Variable Turbine Geometry)ターボチャージャー、低圧段に大型のウェイストゲート付ターボジャージャーを組み合わせる2ステージターボチャージャーだ。小型と大型のターボチャージャーを組み合わせることで、低速から高速域にまで高トルクと優れた応答性能を実現している。
VTGターボチャージャーには、タービンホイールの吸気口にS型の案内翼が設けられており、流入角と速度を変更することでタービン出力を制御。タービンの断面積をエンジンの作動状態に応じて可変させている。さらにエンジン回転数が上がると、バイパスによって排気流が低圧段ウェイストゲート付ターボチャージャーへと流れていく。この2ステージ動作により、燃費の向上と優れた応答性能を提供し、排出ガスの大幅な低減を実現しているという。
今回R2S過給システムが搭載されたのは、メルセデス・ベンツの「OM654」エンジンだ。OM654は直列4気筒ディーゼルエンジンで、排気量は2リッター。2.2リッターの「OM651」の後継に位置づけられる新型エンジンとなる。R2SはOM651にも搭載されていたが、OM654では出力180kW(241HP)と、従来よりも厳しい排出ガス規制であるEuro 6d TEMPに対応しつつ、約20%の高出力化を実現している。