- 2019-7-29
- 制御・IT系, 技術ニュース, 電気・電子系
- テラヘルツ自由電子レーザー, 京都大学, 回折限界, 大阪大学, 摂南大学, 研究, 遠赤外自由電子レーザー
大阪大学は2019年7月26日、摂南大学、京都大学と共同で、遠赤外・テラヘルツ自由電子レーザーを用い、回折限界を大きく超えた、波長の1/25サイズに及ぶ縞状構造(レーザー誘起周期表面構造)を半導体シリコン表面に制御加工することに成功したと発表した。
研究グループは今回、自由電子レーザーを用いることで、これまでのレーザー照射による最小加工サイズの記録を大きく更新した。また、一般の近赤外レーザーとは波長の大きく異なる遠赤外FELを用いることで、従来では困難だった詳細な実験が可能となり、従来の変化機構のモデルでは説明不可能な加工サイズに到達することを見出した。
この研究には裏話もあるようだ。実は、強すぎるレーザー光照射をしてしまい、目的と異なった結果を得たことが研究の進展につながったという。失敗実験の試料としてしばらく検証していなかったが、実際に観測したところ、非常に面白い結果に気付いたという。
今後は、同研究成果をもとに、レーザーによる材料加工技術と理論の新しい領域を開拓し、材料特性の高度化やデバイス開発技術の発展に貢献するとしている。