オムロンは2019年11月11日、対象物の位置および姿勢を高速かつ正確に3次元認識する3D画像センシング技術を開発したと発表した。
製造業における人手不足や人件費高騰が問題となっている近年、人の経験や感覚が必要なため人に依存している組み立てや検査などの自動化が急務となっている。現在人の手で実施されている組立工程におけるバラ積み部品のピッキングをロボットで自動化するためには、部品の位置や姿勢を即座に認識する高速な3D画像センシング技術が必要だ。
今回開発したのは、独自パターン照明を用いて1回の撮像で対象物の3次元形状画像を生成できる3D計測技術だ。10回以上の撮像が必要だった従来の位相シフト方式より大幅に計測時間を短縮した。さらに、オムロンが画像処理分野で培った高速2Dサーチ技術を3D技術に拡張した、対象物の位置姿勢を高速認識するアルゴリズムを開発。これらにより、ロボットのピッキング動作を妨げない約0.5秒での高速部品認識が可能になった。
また、独自のパターン照明によってカメラを小型化し約500gまで軽くしたことで、小型ロボットのハンド部分への搭載も可能となった。これにより部品の設置状態に応じて3D画像センサーの視点移動ができ、さまざまな位置姿勢の部品のピッキングに対応できる。
オムロンは、今回開発した技術を搭載した小型の3D画像センサーを、2020年に商品化する予定だ。