70万円代の電気自動車――ロシアのベンチャー企業が2020年に格安EV「ZETTA」を発売

ロシアのRussian Engineering and Manufacturing Company(REMC)は、電気自動車「ZETTA(Zero Emission Terra Transport Asset)」を発売する。ロシアのイタルタス通信によれば、ZETTAの生産は2020年の第1四半期に開始する予定で、ベースモデルの価格は45万ルーブル(約76万円)程度になるという。

ZETTAは、各輪に誘導モーターを内蔵する「induction e-wheels」を採用するマルチパーパスなコンパクトプラットフォームとして設計されている。カプセル型キャビンを連結するだけの先進的な構造を備えた、トランスミッションレスの4×4プラットフォームだ。

ZETTAの特長は以下の4点だ。まず、公用車や商用車からスポーツカーやラグジュアリーモデルに至るまで、用途にあったカプセル型のキャブをシャシーに載せるだけで、同一プラットフォームで生産できるという柔軟性だ。

次にinduction e-wheelsは、ABS/ESPといった走行制御機能に加え、駆動トルクやパワー、回転速度をホイール毎に制御できることで、高い操安性を実現する。電気回路と油圧回路は独立しており、安全性、信頼性、それにエネルギー回生を最大化している。

また、このREMCの独自技術であるinduction e-wheelsには、経済的な利点もある。ホイールにモーターを内蔵したことで、トランスミッションやリダクションギア、ディファレンシャルなどの重く高価なトルク伝達機構が不要となり、生産コストが下がり、サービスの信頼性が高くなる。

4つ目の利点は、環境性能だ。100kmの走行レンジと、類似システムよりも30~55%少ない電力消費で最適な駆動トルクを提供できるうえ、電気モーターによる走行時ゼロ・エミッションを、低価格帯の車両で実現していることだ。

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