理研と東大、わずかな湿度変化を動力源とするアクチュエーターを開発

理化学研究所と東京大学は2016年7月19日、わずかな湿度変化に応答し半永久的に動き続ける薄膜アクチュエーターを開発したと発表した。

アクチュエーターとは、外界から得た電力、磁力、圧力、温度などのエネルギーを、伸縮、屈曲、回転などの運動に変換する装置や物質のこと。今回開発した薄膜アクチュエーターは、水分の吸着量に応じて屈伸するため、湿度変化に応じて屈伸運動をする。局所的な湿度変化を運動エネルギーに高効率で変換できるため、非常に小さな湿度変化にも反応する。また従来のものより少ない水分量で大きく、高速で屈伸運動を行う。

この薄膜は、グラフィティックカーボンナイトライドと呼ばれる2次元状高分子を用いることで実現した。独自に開発した手法により、安価なグアニジン炭酸塩を用い、加熱するだけという非常にシンプルな手法で作製することができる。

身の回りにある未利用のエネルギーを集めてその場でエネルギーに変換する「エナジーハーベスティング技術」は、持続可能な社会の実現やウエアラブルデバイス向けの軽くて小さな動力源として注目されている技術だ。

わずかな湿度変化にも高効率で応答する薄膜アクチュエーターの開発は、身の回りに存在する非常に小さな環境のゆらぎから運動エネルギーを取り出せることを意味しており、エナジーハーベスティング技術やエネルギー変換材料の設計に大きな影響を与えるという。

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