ジェイテクトは2021年7月19日、水素雰囲気中で従来比10倍の耐久性を持つ耐水素環境用軸受「EXSEV-H2」を開発したと発表した。
脱炭素社会実現に向けて、CO2を排出しない水素燃料電池車(FCV)に注目が集まっている。FCVでは水素を有効活用するために、燃料電池内で未反応の水素を再利用することを目的に水素循環ポンプが使用されることがある。しかし同ポンプ内の軸受は水素および水蒸気中で使用されるために、水素脆化(水素侵入による金属の強度低下)したり腐食しやすいという課題があった。
今回開発した耐水素環境用軸受は、新たな素材の適応と熱処理によって、従来製品の10倍の耐久性と耐食性を持つ。同軸受によって水素循環ポンプ内の軸受の長寿命化が実現。ユニットの小型軽量化や低フリクション化が可能になるという。
量産は2025年からの予定で、年間1.3億円の売り上げを目標にする。