太陽光発電システム、太陽電池の市場調査結果を発表――自家消費型の比率が年々上昇 富士経済

富士経済は2021年12月23日、太陽光発電システム、および太陽電池(PV)の市場調査結果を発表した。

同調査によると、太陽光発電システム市場で注目されるのが、「第三者所有モデル」だ。同モデルは、サービス事業者が顧客の所有する建物の屋根などにPVシステムを設置し、電力購入契約を結ぶ顧客へ電力を供給するタイプのPPAモデルと、定額でPVシステムを貸与するリースの2形態がある。同市場の2021年度見込みは277億円と、2020年度比172.0%の見込。さらに2035年度には2020年度比15.9倍となる2553億円まで拡大すると予測している。同社では、投資型から自家消費型への過渡期における導入手法として市場が拡大していると見ている。

もう1つの注目市場が「自家消費型太陽光発電システム」だ。これはFIT制度を活用しないPVや上記の第三者保有モデル、またFIT制度を活用しているが売電の少ないPVなどを含む。2021年度の市場見込みが2816億円で全体の20.3%だが、2035年度には5857億円で全体の66.5%を占めるようになる。同市場は、売電価格の引き下げと電力料金の上昇によって、売電から自家消費へと目的が移行しつつあることを示すという。

太陽電池の国内市場は、2021年度見込み2819億円(2020年度比107.9%)だが、2035年には1509億円に縮小すると予測する。非住宅用のFIT案件新規需要の減少などにより市場は縮小するが、中長期的には、世界的な低価格化やカーボンニュートラル対応の需要により縮小が下げ止まり、拡大に向かうと予測する。

太陽電池の世界市場は、2021年見込みで10兆3489億円の見込みだ。2020年比2.1倍で、世界的な地球温暖化に対する関心の高まりや、各国の再生可能エネルギー導入施策などの影響で市場は拡大。2035年には、材料価格の安定や生産コストの低下によって20兆1661億円と2021年と同程度となるが、出力ベースでは2020年の2.7倍となる487.3GWにまで達すると予測する。

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