- 2022-6-3
- 制御・IT系, 製品ニュース
- ASIL D, BMS, CDD, CDDソフトウェア, EV, ISL78714, RH850/P1M, TATA Elxsi, バッテリマネジメントシステム, ルネサス, ルネサス エレクトロニクス, 複合デバイスドライバソフトウェア, 電気自動車
ルネサス エレクトロニクスは2022年6月2日、電気自動車(EV)の車載バッテリーマネジメントシステム(BMS)向けに、AUTOSAR準拠の複合デバイスドライバー(Complex Device Driver:CDD)ソフトウェアの提供を開始した。EV用バッテリーマネジメントシステムの開発期間を短縮する。
提供を開始したCDDソフトウェアは、同社の車載用マイコン「RH850/P1M」と、リチウムイオンバッテリーマネジメントIC「ISL78714 IC」を搭載した同社のウィニングコンビネーションであるBMSリファレンスデザインハードウェアキットに対応。RH850/P1Mに搭載し、ISL78714と組み合わせることで、バッテリーマネジメントシステムの性能を最大化する。
CDDは、同社がRH850マイコン用に提供するMCAL(Microcontroller Abstraction Layer)ソフトウェア上に搭載。バッテリーマネジメントの基本的なソフトウェアとなるCDDは、バッテリーセルの電圧と温度の測定値を収集。ISL78714のセルバランシング機能を制御する。パラメーター設定により、BMSシステム内のセル数や、バッテリーセルのデータ収集の頻度を指定できる。
シンプルだが、フル機能を備えたAPIを用意。バッテリーセルの測定値は、ユーザーのアプリケーションソフトウェアによりリアルタイムで受信できる。
ISL78714の動作に必要なソフトウェアインタフェースとプロトコル管理は、CDDソフトウェアに組み込み済み。MCALソフトウェアモジュールに含まれる既存の低レベルSPI、GPIO、汎用タイマー(GPT)ドライバーの上で動作する。CDDソフトウェアは、ユーザーにソフトウェア設計を簡素化する実用的なアーキテクチャを提供する。
CDDソフトウェアとMCALソフトウェアモジュールは、自動車用機能安全規格ISO26262で最も高いASIL Dの開発プロセスに準拠。ASIL Dを車載マイコンのRH850/P1Mもサポートする。ASIL Dに準拠したソフトウェアを開発する場合、サンプルソフトウェアとしてCDDを使用することで早期開発ができる。また、同社のパートナーであるTATA Elxsiと契約し、システム開発も可能とした。