米Sierra Spaceの宇宙機「Dream Chaser」、米軍が宇宙輸送手段に採用へ

米Sierra Spaceは2022年9月8日、米輸送軍(USTRANSCOM)との共同研究開発契約の調印を発表した。Sierra Spaceは、地球低軌道(LEO)を使用する宇宙輸送技術とインフラの構築を目指す商業宇宙企業だ。

両者は、Sierra Spaceの宇宙機「Dream Chaser」、貨物モジュール「Shooting Star」、さらに独自機能を提供する軌道上のインフラを使用したソリューションを共同開発する。この開発成果により、国防総省の物資と人員を、正確かつ高い費用対効果においてタイムリーに輸送する。

Sierra Spaceと米輸送軍は、国防総省が計画する「グローバルサプライチェーン」における新たな輸送手段として、宇宙輸送の検討を開始した。具体的には従来の空、陸上、水上の輸送手法に対する代替もしくは補完手段と位置付けている。さらにこの契約では、Sierra Spaceの宇宙輸送手法の現在の能力と技術成熟度、顕在的/潜在的リスクおよび利点、追加の研究開発項目の特定、がそれぞれ含まれる。

Sierra SpaceのCEO、Tom Vice氏は、「当社は、国防総省のロジスティクスと人員移動の要件に対し、超高速の移動と重量級のペイロードを取り扱う独自の輸送ソリューションの提供を目指す。これらソリューションによって、地球上のあらゆる場所へ3時間以内に到達できるようになる」と述べている。

地域紛争などの情勢変化が激しさを増す昨今、限られた時間内で物資を輸送するロジスティクスの課題が複雑化してきた。今回の合意により、人道支援活動や医療ミッションなどの非戦闘活動の用途を含めた、新たな輸送手段のオプションの可能性を調査する予定だ。

関連リンク

Sierra Space and the United States Department of Defense Transportation Command to Develop Revolutionary High-Mach Systems for Terrestrial Point-to-Point Delivery

関連記事

アーカイブ

fabcross
meitec
next
メルマガ登録
ページ上部へ戻る