通常のスマホを使った衛星経由の音声通話に初めて成功

米AST SpaceMobileは2023年4月25日、衛星を使用して、通常のスマートフォンに直接、双方向の音声通話をすることに成功したと発表した。これは、宇宙から一般の携帯電話への直接的な音声接続が可能になった初めての例だ。

英Vodafone、米AT&T、日本の楽天の協力の下で行われた最初の通話は、テキサス州ミッドランドから、サムスンのGalaxy S22を使って、AT&Tの周波数帯で通話するというものだった。

このテスト通話には、AST SpaceMobileのBlueWalker 3(BW3)衛星を使用。これは地球低軌道に配備された史上最大の商用通信アレイで、その能力を実証した。また、テストではAST SpaceMobileの特許システムおよびアーキテクチャを検証した。

AST SpaceMobileは今回、テスト通話に加えて、さまざまなスマートフォンやデバイスで初期互換性テストを実施した。その結果、加入者識別モジュール(SIM)とネットワーク情報をBW3と直接やりとりすることにも成功。これらは宇宙からあらゆる電話やデバイスにブロードバンド接続を提供するために重要なものだ。

また、スマートフォンのアップリンクとダウンリンクの信号強度を測定したところ、携帯電話のブロードバンド速度や4G LTE/5G波形をサポートする能力があることも確認されている。

現在、世界の人口の約50%は携帯電話のブロードバンドに接続されていない。AST SpaceMobileは、これらの人々に接続を提供するという使命を持っており、今回の成果はその大きな進歩を示したものだ。今後も、宇宙ベースの2G、3G、4G LTE、5Gセルラーブロードバンドを世界的に提供することを目指す。

関連情報

AST SpaceMobile Makes History in Cellular Connectivity, Completing the First-Ever Space-Based Voice Call Using Everyday Unmodified Smartphones – AST SpaceMobile | AST SpaceMobile

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