日立化成、熱膨張率と伝送損失が低いPKG用基板材料でJPCA賞を受賞

日立化成は2016年6月1日、同社の半導体パッケージ(PKG)用基板材料「MCL-HS100」が第12回JPCA賞を受賞したと発表した。MCL-HS100は、熱膨張率と伝送損失の双方を低く抑えた製品。日立化成が同賞を獲得したのは、今回が8回目となる。

JPCA賞は、電子回路技術や産業の進歩発展に貢献する製品や技術を表彰するために創設された。審査は、学術界、電子回路業界、専門誌編集者などの委員で構成される選考委員会が、1)製品や技術の独創性、2)産業界での発展性や将来性、3)信頼性、4)時世への適合性という4つの選考基準に従って実施する。

今回JPCA賞を受賞したMCL-HS100は、熱膨張率が低いという特性を備えた基板材料。薄型のPKG基板には、マザーボードにはんだ付けする際の加熱によって大きなそりが発生するという問題がある。だが、熱膨張率が低いMCL-HS100を用いたPKG基板は、加熱によるそりの発生を緩和できる。

伝送損失の低さも、同基板材料の特徴だ。情報通信機器で扱う電気信号の周波数が高くなると、電気信号が回路中で熱に変換されてしまい、信号を効率よく伝送するのが難しくなる。そのため、MCL-HS100では比誘電率と誘電正接を低く抑えた。

なお日立化成は、MCL-HS100と同じ樹脂を用いたPKG基板材料「MCL-HS100(E)」も開発した。MCL-HS100(E)では、ガラスクロスに低誘電ガラスを採用し、比誘電率をMCL-HS100以上に低減している。

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