JFEスチール、高強度と高靱性を兼ね備えたニッケルフリー合金鋼粉「FM1000S」を新開発

4%Ni合金鋼粉(左)、FM1000S(右)の粒子構造

JFEスチールは2017年9月22日、粉末冶金用途向けのニッケルフリー合金鋼粉「FM1000S」を新たに開発したと発表した。

高強度かつ高靱性の焼結部品には、ニッケルが4%、銅が1.5%、モリブデンが0.5%含まれる4%ニッケル合金鋼粉が用いられてきた。しかし、ニッケルの原料価格が上昇し、コストの増加が問題となっていた。また、同社は既に1000MPa級の高強度でニッケルフリーの合金鋼粉「FM1000」を商品化しているが、靱性が4%ニッケル合金鋼粉より低いという課題があった。

今回開発されたFM1000Sは、粒子形状を不定形化し、更に粒子表層のモリブデン濃度を上げることで、部品製造時の焼結を促進させ、焼結部品の組織中にある空孔を微細化させた。これにより、ニッケルを添加することなく、4%ニッケル合金鋼粉と同等以上の高強度と高靱性を可能にした。FMシリーズの特徴である高い被削性も維持しており、4%ニッケル合金鋼粉に比べて大幅なコストダウンが可能だという。

同社はスプロケットなど、自動車のエンジン・トランスミッション部品へのFM1000Sの適用を目指すとしている。

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