アメリカで金融関連の情報やツールなどのWebサービスを提供するWalletHubが、アメリカの2016年度新卒者向けベスト&ワースト職種ランキングを発表した。
このランキングは新卒/未経験レベルの109職種を、「初任給の中央値」「2024年までの成長性」「勤続年数の中央値」などの11の指標で評価したものだ。
総合1位は「エンジニア」(69.67ポイント)、2位は「システムエンジニア」(68.73ポイント)、3位は「セーフティーリプレゼンタティブ」(66.80ポイント)となり、技術系職種の需要の高さを物語っている。
また最下位の109位は「溶接工」(26.99ポイント)、108位は「フロア組立工」(33.36ポイント)、107位は「配管工」(33.95ポイント)となった。
新卒者向けの仕事で総合1位となったエンジニアは求人件数でも1位で、成長性は25位。一方で、総合最下位の溶接工と108位のフロア組立工は危険度で最下位タイ。フロア組立工は初任給額も106位と低評価だった。
アメリカでは、16~29歳の若い世代、いわゆる「ミレニアル世代」の17%が無職で、25%以上が親と同居している。日本同様、雇用してもらえない、あるいは仕事に就こうとしない若者が増えてきていると問題視する声もあがっている状況だ。
新卒一括採用の日本とは違い、アメリカでは在学中にインターンシップを経験して業務に対する適性を探ることになる。インターンシップを経ずに、業務を経験したことがない若者がいきなり仕事を得ることは容易ではない。
そんな中で、新卒者が未経験レベルから就職するにはどの分野が最適かという調査員の問いに対し、タラント・カウンティ大学の地域産業教育サービス長を務めるテリー・L・アーロン氏は「医療や技術の分野は高い需要がありますが、それに応えられるだけの数の人材が育っていないのが現状です。アメリカは高齢化していますから、医療分野なら活発にキャリアを積むことができるでしょう」とコメントしている。
また、新しいチャンスを求めて転職する前に、新卒レベルの仕事をどれくらいの期間は経験するべきかという質問に対して、別の専門家は「最初の職場には最低でも1~2年勤めることをお勧めします。それだけの期間であっても自分の役割を果たすことが身に付きますし、ひとつの会社に勤めていた期間の長さは、次の職場でもコミットメントや信頼性、忠誠心として、必ず評価されるからです」と回答している。