三菱マテリアル、銀を接合材としない銅と窒化アルミニウムセラミックスの接合技術を開発

三菱マテリアルは2016年9月26日、銀(Ag)を接合材として使用せずに銅(Cu)と窒化アルミニウム(AlN)セラミックスを接合する新技術を開発したと発表した。加えて、AlNセラミックス基板の両面にCuを接合した「AgフリーDBC基板」の試作対応を開始したと報告している。

従来技術では、CuとAlNセラミックス基板の接合に、チタン(Ti)などの活性金属を含んだAg系接合材を使用している。しかし、Ag系接合材を用いた場合、高湿度環境下で高電圧がかかると、電気化学的な移動現象が起こり、絶縁物表面をAgがシミ状や樹枝状に成長してショートすることがあった。

そこで三菱マテリアルは、Agを含まない低融点Cu合金とTiを組み合わせた材料を接合材として使用する新技術を開発。さらに同技術に基づき、AgフリーDBC基板の試作に着手した。

DBC基板とは、銅回路付きセラミックス絶縁基板のこと。AgフリーDBC基板はAg系接合材を使わないため、電極間の電気化学的な移動現象によるショートのリスクが低減され、パワーモジュール用絶縁基板としての信頼性が向上。また、従来のAg系接合材に比べて約200℃低い温度で接合できる。

三菱マテリアルは今後、新技術によるAgフリーDBC基板の製品開発をさらに進める予定。2019年度に本格量産を開始し、2020年度には販売目標10億円を目指すとしている。

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