電気炉の消費電力量を38%削減——最大1450℃で使用可能なファイバーレス高強度・高断熱性材料

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産業技術総合研究所と美濃窯業は2017年2月13日、最大1450℃の高温下でも使用可能な「ファイバーレス高強度高断熱性材料」を開発したと発表した。この断熱材を小型電気炉に施工し、使用電力量を測定したところ、従来の耐火断熱れんがを施工した場合と比べ、消費電力量を約38%削減できることが実証されたという。

窯業や土石分野などでは、800℃以上の高温で用いられる産業/工業炉の操業中に投入される熱エネルギーのうち、製品加熱に使われるエネルギーは30%程度。中でも1500℃以上の高温で焼成されるセラミックスの焼成工程の場合、製品の焼成に使用される熱量はわずか数%だ。残りの熱量は道具材や炉材への蓄熱や、排熱ガスとして廃棄されている。

このような未利用熱を削減するために、産業技術総合研究所と美濃窯業は共同で、高温で使用可能な高強度・高断熱性材料を開発した。このファイバーレス高強度高断熱性材料は、最高使用温度が1450℃。圧縮強度11.0MPaと同時に熱伝導率0.25W/m・Kを達成し、耐火断熱れんがと同程度の強度を維持したまま、熱伝導率を低減することに成功した。しかも、吸引による発がんの可能性があるRCF(リフラクトリーセラミックファイバー)を含まない。

ファイバーレス高強度高断熱性材料は、従来の耐火断熱れんがと同程度の強度を持つため、産業/工業炉の内張り材料として最内層に適用できる。その結果、放熱による廃棄熱量のほか、炉材の施工重量を低減することで、蓄熱による廃棄熱量を大幅に削減することが可能だ。先述したように、従来の耐火断熱れんがを施工した場合と比べ、消費電力量を約38%削減できる。

産業技術総合研究所と美濃窯業は今後、ファイバーレス高強度高断熱性材料のさらなる性能向上に取り組む。目標値は最高使用温度1500℃以上、熱伝導率0.2W/m・K、圧縮強度20MPaだ。また、量産化技術の開発を進め、未利用熱の有効活用技術の実現を目指すという。

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