ジャパンディスプレイ、液晶パネル事業の構造改革を決議

ジャパンディスプレイは2016年3月16日、液晶パネル事業の構造改革を実施すると発表した。同社は2015年7月以降、スマートフォン向け製品市場の競争激化や季節性需要変動に対応するため、新経営体制のもとで製造原価や固定費の削減に励んできた。今回の構造改革では、さらなる製造原価の低減と収益力の向上を図るために、固定費の削減やリソースの高効率化に取り組むという。

同社は構造改革の一環として、コスト競争力に劣る古い世代の中小型液晶パネル製造ライン(前工程ライン)を、土地や建物を除き廃止する予定。国内にある4つの生産拠点で稼働する製造ラインの内、第3.5世代ラインの東浦工場と第4.5世代ラインの茂原工場が対象となる。

また、中国における後工程製造の合理化を図るため、中国国内にある製造子会社の一部売却を含む統廃合を検討中だ。さらに、国内拠点に所属する45歳以上の正規社員の中で一定の条件を満たす人員を対象に、早期退職支援制度を導入する方針を打ち出している。退職希望者には、退職金規則に定める退職金と特別退職金を支給するほか、再就職活動を支援するという。

ジャパンディスプレイは2016年3月期の決算にて、前工程ラインの廃止と後工程ラインの減損処理などに伴う費用として、約140億円を特別損失として計上する見込みだ。一方、構造改革の固定費削減効果としては、現時点で年間約170億円(2017年3月期には約80億円)を見込んでいる。

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