わずか11%、女性のエンジニアはなぜ少ないのか――WomEng共同創設者の考察

男性も女性も意欲に応じて活躍できるようにと男女共同参画社会基本法が施行されて20年近くが経った。職場での女性率が上がってきたと感じている人も多いかもしれない。

しかし、エンジニアリング分野での女性の割合は、日本だけでなく世界的に見てもかなり低水準にあるようだ。World Economic Forumの2017年7月の発表によると、「建築・工業技術者」職に就く女性の割合は11%だという。

エンジニアリング分野で、なぜ女性の割合が低いのか。これは教育関係者や研究者にとっても研究対象となっているテーマだ。エンジニアリング分野で働く女性の動機や職場への残留率などをモニターし、女性のエンジニアリング分野への流入を調べる研究も進められている。

WomEng共同創設者のNaadiya Moosajee氏によると、就労前の女性たちは「エンジニアとして働く」という選択肢を意識していないという。「理工系科目は男性のものだ」という認識を持っているそうだ。

それでも女性がエンジニアリング分野に進むとき、どんな動機からその道を選んだのだろうか。Moosajee氏は大きく3つのケースがあると言い、1つ目として影響力のある教師に勧められたケース、2つ目として家族や仲の良い男性がロールモデルとなったケース、そして3つ目として自発的にエンジニアリング分野に興味を持ったケースを挙げる。最初の2つのケースに見られるように、外的要因が無ければ女性がエンジニアリング分野に参入するきっかけは少なくなってしまうという。

さらに、エンジニアリング分野では女性の離職率が非常に高いとMoosajee氏は指摘する。主に、1. 理工系の職場で女性は孤立感を覚えやすい、2. 専門性の高いエンジニアには高給が支払われるべきなのに、エンジニアリング分野は変化が遅くてダイバーシティへの意識が低く、多くの女性が戦おうとせずに去ってしまう――といったところに原因があるという。

Moosajee氏が立ち上げたWomEngは、次世代の女性を世界中のエンジニア業界でリーダーにしようというスローガンを掲げて活動している。女子高生への理工系教育を奨励し、ピンク色のヘルメットを広めることで「エンジニアの仕事」=「男性の仕事」という認識を変えることを目指しているそうだ。

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Only 11% of architects and engineers are women. Let’s build a new pipeline for female talent

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