ボルトエンジニアは2017年12月6日、M100クラスの大型ボルトをトルクレンチだけで締め付けることができる「テンションナット(Tension Nut)」を発売した。
テンションナットは小さなトルクで大きな締め付け軸力を発揮する。複数の小型テンションねじを持ち、負荷を分散して締め付けるため、大型ボルトでも小さなテンションねじ分の低いトルクで締め付けできる。ボルト径M56(56mm)の場合、標準締め付けトルクでは約8600Nm必要となるが、同製品では約1/70の120Nmですみ、大型ボルトを電気もエアーも使わずにトルクレンチだけで締め付けができる。
また、国際特許を取得した緩まないナット構造「斜面ディスクワッシャー」を採用。斜めになったワッシャーの角度がねじリード角よりも大きいため、緩む方向へ力が働くほど軸力が自動的に増加して「さらに強く締まる」ことで、緩まない構造となっている。
テンションねじの採用によりナットの第1ねじ山への荷重の集中が軽減されるため、ボルト締めの不具合発生がない。さらに、軸力管理による締め付けのため、摩擦の影響がなく、トルク管理よりも高精度の締め付けができる。高温環境にも対応し、圧力容器など高温250℃でも使用可能だ。
摩擦熱が発生せず、ボルトの焼き付きやかじりが起きないため、特にM30以上の大型ボルト締めに適している。ボルトテンショナーのように使用条件の制約がなく、既存の六角ナットと入れ替えるだけで使用でき、ボルトサイズM20からM400まで対応可能だ。