東大、多孔質中の迷路状の孔の中で進む相分離を新たなモデルで説明

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三次元多孔質中の相分離構造 混合系の二成分(青と緑)と壁(黒)との相互作用が全く同じ場合に見られる相分離の過程。

東京大学は2017年12月25日、同大学生産技術研究所の研究グループが、多孔質中の迷路状に繋がりあった孔の中での相分離構造の形成を分析し、新たなモデルを構築することに成功したと発表した。石油の発掘など、多孔質構造を利用する分野への応用が期待される。

今回同研究グループでは、多孔質物質のネットワーク状に繋がった孔の中で相分離が進行する際、どのように相分離構造が形成されるかを研究。新たに多孔質構造と相分離をそれぞれ異なる2つの秩序変数で表し、それらの相互作用も取り入れた物理モデルを導入した。

従来、多孔質中の相分離は、ネットワーク状になった孔を「円柱状のパイプの組み合わせ」と捉え、円柱状パイプ中の相分離を基礎として理解する試みが行われてきた。しかし、新しいモデルを基礎にシミュレーションしたところ、従来の常識が誤りで、迷路状の孔構造での孔の交叉の仕方などのトポロジー的な特徴が、相分離構造に決定的な影響を与え、全く新しい機構で相分離が進行することが明らかとなった。

このようなトポロジーの影響は、実空間での構造解析で初めて解明できるもので、従来の光や中性子の散乱実験による研究の限界も示すものだ。多孔質の壁と、混合系の各成分との相互作用を制御することで、さまざまな相分離の最終構造を形成できることも示された。さらに、孔の連結性が確保された3次元多孔質と、連結性のない2次元多孔質中の相分離には、決定的な相違が存在することも明らかにされた。

多孔質構造は、表面積が極めて大きいため、触媒、診断用ゲル、イオン交換などの分野で応用されており、今回の研究成果は応用上の意義も大きい。多孔質状の土壌から水と共存した石油を抽出する際にも重要な知見を与えることが期待されるという。

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