パナソニック、ミリ波帯アンテナ向け「ハロゲンフリー超低伝送損失基板材料」を開発

パナソニックは2018年1月11日、同社の社内カンパニーであるオートモーティブ&インダストリアルシステムズが、ミリ波帯アンテナ基板向けの「ハロゲンフリー超低伝送損失基板材料」を開発、2019年4月より量産開始すると発表した。熱硬化性樹脂でミリ波帯における業界最高の低伝送損失をうたっており、アンテナの高効率化・低損失化と基板の加工コスト低減に貢献するという。

ADAS(先進運転支援システム)や自動運転の開発が進む中、それらを支えるセンシング技術としてミリ波レーダーが用いられている。ミリ波レーダーはミリ波帯電波を送信し、物体からの反射波を受信することにより物体の位置や速度を検出するため、ミリ波の送受信を行うアンテナ用基板には低伝送損失が要求されている。現在はアンテナ用基板材料として主にフッ素樹脂基板材料が採用されているが、基板製造時の加工が難しく、コストの観点からもフッ素基板に代わる汎用性の高い基板材料が求められてきた。

今回、同社は独自の樹脂設計技術と低粗化銅箔接着技術により、低伝送損失性と加工性の両立を実現した「ハロゲンフリー超低伝送損失基板材料」を開発した。0.079dB/mm(@79GHz)というフッ素樹脂基板同等以上の低伝送損失性をうたっており、ミリ波帯アンテナの高効率化・低損失化に貢献するという。

加えて、同材料は熱硬化性樹脂材料のため、汎用基板用の既存設備での加工が容易という特長をもつ。これにより、フッ素樹脂基板材料の代替が可能となり、基板の加工コスト低減が期待できる。また、汎用のガラスエポキシ基板材料との一括成形も可能で、アンテナ一体型モジュール基板の多層化とコスト低減に貢献するとしている。

同社は、2018年1月17日から19日まで東京ビッグサイトで開催される「第19回 プリント配線板 EXPO」に同製品を出展する。

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