ますます身近になる「人工ダイヤモンド」――阪大が物性物理学に関するミニ講義を公開

大阪大学は2018年3月5日、人工ダイヤモンドなど例に物性物理学を解説するミニ講義を公開した。

ダイヤモンドは、長い年月をかけて地中奥深くの高温高圧な環境下で形成された宝石だ。装飾品としての価値の他にも、硬度や熱伝導性、光学特性、絶縁性などに優れた貴重な物質として知られている。それらの特性は、ダイヤモンドを構成する単層原子間が「共有結合」という強固な結びつきで結合することで生み出されている。

優れた特性ゆえに工業用としての需要も起こり、20世紀終わり頃についに人工ダイヤモンドの製造に成功。ダイヤモンドと同じ組成の炭素(グラファイト)に、1000度以上の高温と5万気圧以上の高圧力によって合成する方法だった。

現在、人工ダイヤモンドは超精密機械の加工やトンネル掘削、半導体素子結合などさまざまな工業分野で欠かせない素材となっている。

以前は天然のものに比べて小さなものしか作れなかったが、現在では天然の物と同等かそれ以上のサイズや透明度のダイヤモンドを作る技術も開発されている。

そのようなダイヤモンドも、元々は高温高圧下で生まれた物質だ。さらに高温高圧の状態では今の状態からは想像できないような特性や機能を持つ可能性もあるという。また、ダイヤモンドに限らず、物質の持つ特性を詳しく調べ、圧力や温度などの試行錯誤を重ねることで、新しい高機能な物質を作り出す技術の研究が進められているという。

関連リンク

ダイヤモンドが身近に!? ここまできている人工技術(大阪大学)

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