- 2018-5-24
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- DFBレーザー回析格子, Nature Communications, コンタクトレンズ, セント・アンドリュース大学, 有機薄膜レーザー
スコットランドのセント・アンドリュース大学は、基板を使わない柔軟で軽量な有機薄膜レーザーを開発した。何にでも取り付けることができ、コンタクトレンズの表面に貼り付けて装用すれば、目からレーザー光線を放つこともできるという。
『Nature Communications』に掲載された論文によると、開発された有機薄膜レーザーは、厚さ500nm(0.0005mm)の薄膜にDFBレーザー回析格子を埋め込んだもの。これを市販のコンタクトレンズに貼り付け、牛の眼球を使って実験したところ、レーザー光線が放出された。有機レーザーは外部の光源で励起してレーザー発振する必要があるが、論文によれば、この有機薄膜レーザーは発振しきい値が低いため、たとえ人間の眼でも安全に使用することができるという。
このコンタクトレンズの実用的な用途であるが、虹彩認証を補完するセキュリティ技術としての応用が考えられているという。また、有機薄膜レーザーは広範囲の波長を任意に発振できる特徴があるため、バーコードのようなセキュリティラベルとして、例えば紙幣に貼り付けて偽造を防止するなどの使い方も考えられている。