沖縄北西沖に沈む軍艦エモンズを高精度で可視化――九州大など、新手法で成功

九州大学などによる研究グループは2018年6月20日、沖縄の古宇利島沖水深40mに沈む米国の軍艦エモンズ(USS Emmons)について、革新的な方法で詳細に可視化することに成功したと発表した。

エモンズは第2次大戦末期の沖縄戦で、日本軍特攻機の攻撃によって航行不能となり、僚艦によって沈められた軍艦。今回、九州大学浅海底フロンティア研究センターの菅浩伸主幹教授らの研究グループは、衛星測位システムが利用できない水中において、多視点ステレオ写真測量にマルチビーム音響測深から得られた位置情報を与えるという新たな方法を提示し、5cmグリッドの詳細な海底地形図および3次元モデルを作成した。

水深40mの海底で120×30mもの広い範囲について、地理座標を持つ多視点ステレオ写真測量図を示したのは世界で初めてだという。対象は沖縄戦を物語る戦争遺跡であり、今後の水中戦争遺跡の保存や、平和教育への活用に向け、貴重な資料となるものだ。

同研究の成果は、国際学術誌「The International Journal of Nautical Archaeology」のオンライン版で2018年6月12日に公開されている。

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