- 2018-7-15
- 化学・素材系, 技術ニュース, 海外ニュース
- Ecoflex, Kee-Sun Sohn, キーボード, シリコンゴム, ディープラーニング技術, ピエゾ抵抗効果(機械的な歪を加えたときに電気抵抗が変化する効果), 韓国世宗大学
韓国世宗大学のKee-Sun Sohn博士をはじめとする研究チームは、薄く丈夫で、くしゃくしゃに丸めてポケットに入れても壊れないほど柔軟性のあるキーボードを開発した。
折り曲げられるキーボードはすでに市販化されているが、硬いプッシュボタンを埋め込んだり、タッチセンサーアレイを組み込んだ軟質多層シートでできているため、製造工程が複雑かつ本体サイズも大きく、小さく丸めたりはできなかった。
Sohn博士らの開発したキーボードは、導電性カーボンナノチューブを埋め込んだシリコンゴムのシートで、ピエゾ抵抗効果(機械的な歪を加えたときに電気抵抗が変化する効果)によって押下を検出する。このキーボードは、どの文字を入力ようとしているかをシート上の押された位置と圧力、およびそれに伴う抵抗の変化に基づきディープラーニング技術を使って認識している。
このキーボードの材質は生分解のシリコンゴム「Ecoflex」。非常に高い柔軟性や引裂強度などを兼ね備えている。使用後は、微生物から自然に生じる酵素によって土壌や堆肥中で完全に生分解される素材だ。
研究者らは、「このシンプルなキーボードは完璧に機能し、機能性、柔軟性、廃棄性、およびコストの面で既存のすべてのポータブルキーボードより優れている。 キーボードひとつのコストはわずか1ドルで、故障したらすぐに廃棄することができる。」とそのメリットを説明している。