- 2018-7-20
- 技術ニュース, 海外ニュース, 電気・電子系
- Bernhard Wolfrum, MEA, グミベアー(クマ型のグミ), ミュンヘン工科大学, ユーリヒ総合研究機構, 微小電極アレイ(MEA:Micro-Electrode Arrays)
ミュンヘン工科大学とユーリヒ総合研究機構は共同で、グミベアー(クマ型のグミ)に微小電極アレイ(MEA:Micro-Electrode Arrays)をインクジェット技術を使ってプリントすることに成功した。まるで研究者の余興のようにも聞こえるが、柔らかいゼラチンの上にMEAをプリントすることは、生体細胞へ適用するための重要な基礎技術だという。
生体が発生する電気信号を計測する電極を細胞と同じくらいの大きさにして多数並べたMEAは、何百もの神経細胞の活動を同時にモニターするセンサーとして使うことができる。このMEAは生化学分野での応用が進んでいるが、シリコンのような硬い材料からできているため、その硬さが細胞の形状や組織に影響し、体内では硬い材料が炎症や臓器の機能不全を引き起こす可能性があるという。MEAを柔軟性のある材料に貼り付ければ、これらの問題を避けることができる。
柔らかい材料にプリントされたMEAは、患者の治療方法を変える可能性を秘めている。同学神経エレクトロニクスのBernhard Wolfrum教授は、「将来、体内の神経機能や心臓機能を監視するために、同様の軟質構造を使用することができる。例えば、ペースメーカーとして使うことも可能だ。」と、その応用可能性を説明している。