2018年7月8日~10日にドイツで開催された自転車関係のトレードショー「EUROBIKE 2018」に、まったく新しいコンセプトを持つ自転車のプロトタイプが出展され話題になっている。「Driven」と名付けられたこの自転車は、同ショーでデザイン賞を獲得した。
Drivenはシャフトドライブの自転車だが、駆動方式は従来のそれとは大きく異なる。Drivenの後輪にはスプロケットや傘歯車ではなく、スプロケットの歯をリング状に幾重にも並べたディスクが取り付けられ、ドライブシャフト後端のピニオンがこの歯とかみ合って回転し、動力を伝達する。ポイントはピニオンの作りで、ここには歯の代わりにボールベアリングが使われている。これにより、駆動系の摩擦はチェーン駆動に比べ49%低下し、高い動力伝達効率を実現しているという。
変速方式も独特なもので、一般的な外装変速方式では、変速段数に応じた数のスプロケットが取り付けられ、リアディレイラー(変速機)を使ってチェーンがかみ合うスプロケットを変えて変速するが、Drivenではピニオンがディスクの半径方向に移動し、かみ合うディスク上のリングを変えることで変速する。ディスクには13のリングがあり、Drivenは13段変速の自転車ということになる。シフターの詳細は明らかでないが、ドライブシャフトには電池が内蔵されているので、電動でピニオンの位置を変える方式と思われる。
Drivenを開発したのは自転車王国デンマークの「セラミックスピード」。同社はDrivenの商品化の時期を明らかにしていないが、既にセールスカタログも用意されており、市販化もそう遠い先のことではないだろう。