ソニーは2019年3月18日、従来より小型で、高解像度の画像処理が可能な裏面照射型画素構造のグローバルシャッター機能を搭載したCMOSセンサー技術「Pregius S」(プレジウスエス)を開発したと発表した。
グローバルシャッター機能搭載のCMOSセンサーは、フォトダイオードの隣に形成したメモリーの一部に一時的に電荷信号を蓄えることで、行ごとの読み出し時間のずれを補正する。従来の表面照射型は、フォトダイオードを形成する基板上に配線層があるため、遮光部を形成しやすい反面、フォトダイオード上部の配線が入射光を遮り、小型化が難しかった。
今回ソニーでは、裏面照射型でグローバルシャッター機能を実現する独自の画素構造を開発し、小型化に成功した。
感度や飽和特性を低下させることなく、画素サイズを従来の3.45μmから2.74μmにまで微細化。従来の有効1200万画素の同社表面照射型CMOSイメージセンサーと比較して、約1.7倍の高解像度を実現した。これにより、製造や検査、物流においてさらに広範囲かつ高精度での画像測定や検査が可能になるという。また、裏面照射型を採用したことで配線レイアウトの自由度が増し、従来比約2.4倍の高速化も実現したという。
さらに、積層構造を活用して、撮像データから必要な情報のみを抽出するデータ最適化機能を搭載。後段処理の負荷軽減や保持データ量の削減も可能になる。
ソニーでは、今後さまざまな産業機器や高度道路交通システムでの採用に向けた商品開発を進めるという。今回の開発品は、2019年夏以降にサンプル出荷を予定している。