グラフェンスポンジがリチウム硫黄電池の安定化に寄与

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CREDIT: YEN STRANDQVIST/CHALMERS UNIVERSITY OF TECHNOLOGY

将来の電力需要を満たすためには、新たな電池技術は欠かせない。その選択肢のひとつが、リチウムイオン電池の5倍以上の理論エネルギー密度を持つリチウム硫黄電池だ。

リチウム硫黄電池の実用化に向けて世界各地で活発に研究開発が行われているが、スウェーデンのチャルマース工科大学は、酸化グラフェンを還元した多孔質のスポンジのようなエアロゲルを使い、リチウム硫黄電池の性能と安定性を向上させることに成功した。

研究者達は、円柱のエアロゲルをサラミソーセージのようにスライスし、電池にフィットするように圧縮、薄い層にして普通のコインセル電池ケースに挿入した後、電池に硫黄に富むカソライト溶液を注入した。グラフェンエアロゲルは電解液を大量に含浸することができるため、硫黄充填量を増加させることができるばかりでなく、電池セル内の自立電極の役割を果たしている。

リチウム硫黄電池の劣化を引き起こす原因は、大きく2つある。一つは硫黄が電解質へ溶出して失われてしまうこと、もう一つは硫黄分子が負極から正極へと移動することで繰り返される酸化還元反応、いわゆる「シャトル効果」がある。主任研究員のCarmen Cavallo氏は、半流動体のカソライトを使うことのメリットについて、「硫黄はすでにカソライト溶液に溶解しているので、溶出によって失われることはない。この構造によって、これらの望ましくない問題を大幅に低減できる」と説明する。

これまでのリチウム硫黄電池は不安定で、その結果サイクル寿命も短かったが、彼らの新しい試作品では350サイクル後で容量維持率85%を実証した。研究成果は、科学ジャーナル『Journal of Power Sources』に掲載されている。

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Graphene sponge helps lithium sulphur batteries reach new potential

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