富士経済は2017年7月2日、コネクテッドカー(乗用車)の世界市場調査結果を発表した。それによると、市場はIVI搭載のコネクテッドカーがけん引し、2035年には2017年比4.4倍の1億250万台に達する見通し。新車販売台数に占めるコネクテッドカーの割合は、2035年には9割近くを占めると予測されている。
富士経済の予測によると、コネクテッドーカー市場は2020年の時点で3435万台に達する。新車販売台数に占めるコネクテッドカーの割合は、2022年の段階では5割弱に及ぶという。IVIは車載通信機を用いるエンベデッド型と、スマートフォンなどを使用して接続するモバイル連携型に大別されるが、特に常時接続可能なエンベデッド型が大きく伸びるとみている。
エリア別にみると、市場拡大の原動力となっている地域は現状、北米や欧州だという。これらの地域では、自動車メーカーがテレマティクスに注力しており、今後もエンベデッド型IVIを軸に堅調な需要が期待される。一方、中国は今後の大幅な伸びが予想され、2022年には世界最大の需要地になるとみている。
調査では、日本も通信型カーナビゲーションを中心に当面は伸びると予想している。しかし、長期的には新車販売台数が減少し、2020年代前半にはピークに達するとみている。その他のエリアでは、韓国やオーストラリアなどで需要が増加。今後は中等や東南アジアなども伸びが期待されるという。これらのエリアでは、モバイル連携型IVIやディスプレイオーディオをベースとするコネクテッドカーの需要が増加するとみている。