100年前の物理モデルを使って、現代の北極海の氷の溶融を説明

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Photo by Don Perovich.

地球温暖化の影響で北極の氷が減少しつつあることは良く知られているが、氷は我々が考えていたより早く溶け、記録的な減少を示している。自然のシステムがなぜ科学者の予想と異なる振る舞いをするのかを知るため、米ユタ大学の数学者と科学者は、氷が溶けてできた池(融解水池)が形成されるパターンを研究した。

過去の研究は、世界的な気候モデルにおいて、融解水池の有無が北極海氷の量の長期予測に大きな影響を与える可能性があることを示している。融解水池は暗く、氷は明るい。池が大きくなればなるほど、表面が暗くなって太陽光の反射が減少し、多くの太陽エネルギーが吸収される。このため、「アルベド(albedo:反射能)」と呼ばれる地表面の反射率がどのように変化しているか知ることは少なからず重要だ。

数学者Ken Goldenと大気科学者Court Strongは、イジングモデル(Ising Model)と呼ばれる100年前の物理学モデルを微調整し、融解水池の拡大をモデル化した。イジングモデルは、1920年にドイツの物理学者Wilhelm Lenzによって提案された、磁性体のふるまいを説明するために実際の磁性体を単純化して解析した統計力学上のモデルだ。

ユタ大学のモデルでは、原子の磁気スピン(上または下)の性質を凍結(白)または融解(青)の海氷の性質に置き換えた。研究者達によれば、モデルは北極の融解水池のパターン形成の基本的なメカニズムを写し出し、池の大きさと幾何学的形状の変化の重要な特徴を再現しているという。融水パターンの幾何学的形状は、海水のアルベドと氷に入り込む光の量の両方を決定し、これは海洋上層の環境に大きな影響を与えるものだ。

この研究は、融解水池の基本的な物理を説明し、融水がどのように海氷表面に分布しているかを正確に示す、写実的なパターンを作り出す最初のものだという。

残念ながら、このようなモデルでは実際に氷が融けるのを食い止めることはできない。しかし、北極の氷あるいは永久凍土層がどのように消滅していくかについて、より良い予測をすることができれば、将来の温暖化への備えとなるだろう。

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100-year-old physics model replicates modern Arctic ice melt

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