ダイヤモンド複合材料を開発――複雑な形状の超硬部品が製造可能に

Sandvik Additive Manufacturingが、幅広い産業用途に適した、3Dプリントダイヤモンド複合材料を開発、2019年5月21日~23日にデトロイトで開催されたRAPID+TCTショーにて、発表した。

ダイヤモンドは自然界で最も硬いもので、採鉱や掘削から機械加工、医療用インプラントまで、産業における幅広い耐摩耗が求められる材料の重要な構成要素だ。近年人工ダイヤモンドの製造が普及しているが、高硬度ゆえに加工が困難で、複雑な形状を作ることは不可能だった。

同社は今回、様々な形状に成形できる3Dプリント向けダイヤモンド複合材料を開発した。ダイヤモンド粉末と紫外線硬化型ポリマーの混合物を素材とし、SLA(光造形)方式を使用して造形する。3Dプリントを使い、1層ずつ固めるため、複雑な形状の部品も製造可能となる。加えて、造形材は再利用や再生が容易なため、よりサステナブルな技術だとしている。

造形後に独自の後処理工程を加えることで、鋼鉄の3倍硬い超硬質ダイヤモンド複合材料となる。この材料は、銅より熱伝導率が高く、熱膨張がアンバーに近く、密度がアルミニウムに近く、優れた耐食性も備えているという。

同社では、ダイヤモンド素材が全く新しい用途や形状で使われることで、多くの産業に利益をもたらすだろうとし、一般的な摩耗部品から高度な宇宙プログラム用途に至るまで、数年のうちに実用化されると見ている。

同社は、このダイヤモンド複合材料プロセスに関する特許申請を行っている中だ。

関連リンク

Sandvik creates first 3D printed diamond composite

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