自己受容感覚を再現できる次世代型筋電義手――物体に触れた感覚を取り戻す

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

©Luca Rossini

筋肉の発する電気信号を読みとり、義手をコンピュータ制御で動かす「バイオニックハンド(筋電義手)」。世界各地で研究開発が進められているが、スイスとイタリアの研究者は、腕を切除した人に自己受容感覚――視覚にたよらず、身体各部の位置や動きを知ることができる感覚――を再び与えられる次世代型筋電義手を開発した。

現在の筋電義手は、前腕部を切除した人が前腕の残された筋肉機能を利用することによって、義手の運動制御を取り戻すことを可能にするものだ。しかしながら、感覚フィードバックが得られないため、使用者は視覚情報に大きく依存しなければならず、これが義手を身体の一部と感じるのを阻害する要因になっている。

スイス連邦工科大学ローザンヌ校、ピサ聖アンナ高等師範学校、ローマ・ジェメッリ総合病院の研究者らが開発した次世代型筋電義手では、使用者は非常に敏感で自然に近い触覚を取り戻すことができ、自己受容感覚を再び得ることができた。患者はテーブルに置いた物品を見ることなく手を伸ばし、位置、大きさ、形、堅さを確かめられたと報告されている。

フィードバックの神経内刺激は、切断手術を受けた人の断端に挿入された電極で与えられた電気パルスで行われる。使用者は、それらのパルスを自己受容感覚と触覚に変換する訓練を受けなければならないが、2人の被験者は高い自己受容感覚を取り戻すことができ、4つの物体の大きさと形状を75.5%という高い精度で認識することができたという。

新開発の筋電義手は、交通事故などで腕を失った人のクオリティ・オブ・ライフの向上に大きく貢献する技術といえるだろう。研究成果は『Science Robotics』ジャーナルに発表されている。

関連リンク

A prosthetic that restores the sense of where your hand is

関連記事

fabcross
meitec
next
ページ上部へ戻る