空気の流速を3次元計測する手法を開発

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米イリノイ大学航空宇宙工学科博士課程学生のKevin Kim氏は、気流が高速でどのように混合されるかを計測する実験セットアップをつくり、XYの2成分のみならず、スパン方向の速度の測定にも成功したと発表した。研究成果は『AIAA Journal』に論文「Three-Dimensional Experimental Study of Compressibility Effects on Turbulent Free Shear Layers」として2019年10月11日に発表されている。

気流の高速での振る舞いをモデルで正確に予測するには、検証用の実データが必要だ。そこでKim氏は、乱流をシミュレーションする流れ場を実際に測定できる物理実験セットアップを作成した。風洞と実験セットアップのデザインは、シンプルな幾何学と基本的な物理学に基づいたものだ。

この実験セットアップでは、空気タンクからの空気流と、環境下の室内の空気流の2つの流れを操作する。2つの空気の流れが空洞のテストエリアに到達する前に物理的障壁が設けられ、そこで2つの空気流が合流する設計だ。流れの中のシード粒子の画像も撮影できるという。

空気タンクの後ろに2つのノズルがあり、マッハ数の制御も可能。一方のノズルのジオメトリを変えると全体のマッハ数を変更でき、2つの空気流が合流する様々な混合層の様子が観察できる。主流の空気流の速度はマッハ0.5から始め、0.5刻みで2.5まで上げた。副流の空気流はすべてマッハ1未満だった。

低速で非圧縮性の空気流の混合であれば、主に2次元の混合によって特徴付けられるので、X、Y成分を観察するだけで、多くの重要な情報を得ることができる。しかしマッハ数を増やした場合、せん断層で圧縮率が上がることで、非圧縮時には見られなかったスパン方向のより広いスケールの混合が観察できるという。広範囲のマッハ数において、このスパン方向の速度が測定された結果、研究データはユニークで貴重な結果となったようだ。

Kim氏は、圧縮率の変化に伴う全体的な乱流との関係を理解するために、3番目の速度成分を確実に取得することを目標にしていたと話す。そして、入ってくる流れの条件、つまり境界層を捉えることも実験の目的だったという。

今回の成果はシミュレーションモデルの検証データとして使用できることに加え、例えば、超音速の空気が燃焼器を通って燃料と混ざり合う現象が起きているスクラムジェット燃焼の改善にも応用できるという。なお、Kim氏が得たデータのすべてはイリノイ大学のWikiページで公開されている。

関連リンク

EXPERIMENT MEASURES VELOCITY IN 3D
Three-Dimensional Experimental Study of Compressibility Effects on Turbulent Free Shear Layers

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